Ⅳ 精神科学自由大学の諸部門/普遍アントロポゾフィー部門

出典:Die Freie Hochschule für Geisteswissenschaft Goetheanum, Zur Orientierung und Einführung, 2008, Dornach S.37-38

訳:石川恒夫

普遍アントロポゾフィー部門
Allgemeine Anthroposophische Sektion

ハインツ・ツィンマーマン

名称がすでに物語っているように、普遍アントロポゾフィー部門の代表者は、普遍的・人 間的なものと関わる諸問題と取り組むものであり、特定の生活領域や職業に限定されるも のではありません。それゆえこの部門は、他の部門に対して、中心的な機能をもっていま す。なぜなら普遍的・人間的なものは、アントロポゾフィーの研究領域、生活領域に対す る基盤を形成するからです。 従って精神科学自由大学の第一クラスに入る会員は、まず基本的にこの普遍部門との結 びつきをもち、このベースの上に立って、各自の専門的関心に従って、一つないし複数の 部門で活動することになります。そうすることで、特定の生活領域や研究領域に特化して いく、いわゆる専門部門で活動する会員も、自らの領域の専門にだけ目を向けないこと、 狭い視野にとらわれないことが意図されているのです。むしろ、普遍的・人間的なものの 潮流から専門的事象がより実り豊かなものとなるでしょう。勿論、この普遍的・人間的な ものの基礎はそこに作用する専門的な方向付けによってニュアンスを帯びます。従ってル ドルフ・シュタイナーは、例えば医学部門に見られるように、それぞれの部門が特有のエ ソテリックを仲介すべきことを提唱していました。しかし、その指摘以前にも、特定のグ ループが固有な職業のエソテリックを発展していきました。最も良い事例は、シュタイナー が1919年、1923年にヴァルドルフ学校の教師に伝えた教師のメディテーションです。1923/24年のクリスマス会議における自由大学の設立時に、シュタイナーはその指導を 引き受けました。今日、ゲーテアヌムの大学コレギウムが精神科学自由大学を全体として 指導しています。それゆえ大学コレギウムが個々の部門代表に委任しています。この意味 において、大学コレギウムは2002年に、ゲーテアヌム理事会のメンバーに対して、普遍ア ントロポゾフィー部門の指導と、第一クラスの案件の調整を委託しました。現在の7名の 理事の誰もが、普遍アントロポゾフィー部門の中の特定のテーマと特に結びついていると 感じ、各自の探求と統合をとおして、実り豊かなものにしようとしています。

精神科学的な研究と瞑想:ハインツ・ツィンマーマン
キリスト論と精神的ヒエラルヒア:ヴァージニア・シース、セルゲィ・O.プロコフィエフ
再受肉とカルマ:パウル・マッカイ
精神科学的人間学:セイヤ・ツィンマーマン
時代精神と発展の問題:ボード・フォン・プラトー
精神的社会的能力:コルネリウス・ピーツナー

出典:
Die Freie Hochschule für Geisteswissenschaft Goetheanum, Zur Orientierung und Einführung, 2008, Dornach S.37-38
翻訳:石川恒夫